年越し二郎を食べました
年越しそばってそもそも
お久しぶりです。
早速ですが、年末年始、特に大晦日のイベントといったらみなさん何でしょう。大掃除、紅白などいろいろ浮かぶと思いますが、やっぱり真っ先に浮かぶのは年越しそば。昔そば屋さんでアルバイトしていたときは、いつにもまして多くのお客さんが来店していたのを覚えています。
そもそもなんで大晦日にそばを食べるかというと、調べるとめちゃくちゃ説が出てくるので「これ」といえるものはないのですが、
- そばは切れやすいから1年の災難を断ち切る、という意味
- 細く長いことから長寿を連想
あたりが有名なようです。
でも私は細く長い人生よりも太く短い人生のほうが好きなので、今回は年越し二郎を作りたいと思います。
二郎とは?
最近ではラーメン好きだけでなく一般の人にも知れ渡った感のあるラーメン二郎。知らない方のために説明すると、豚がガツンと聞いた背脂たっぷり、野菜山盛りの醤油ラーメンです。
ラーメン二郎 全店制覇 完全版Ⅰ「三田本店・目黒・仙川・鶴見・新宿歌舞伎町・品川・新宿小滝橋通り・環七新代田・八王子野猿街道店2・池袋東口」【IKKO'S FILMS】【品川イッコー】
令和最初の二郎はやっぱりここなんです【ラーメン二郎三田本店】
二郎はその量やインパクトだけでなく、コール(ニンニクヤサイマシみたいなやつ)に代表されるように食べるまでにも独特のルールがあるため、知ってはいるけど敬遠しているという方も多いかと思います。とはいっても、知らなくても怒られるわけではないですし、いまはネットでそういうルールは全部調べられます。そうじゃなくても、前の人のやっているのを真似するとか、店主さんの言う通りに従えばだいたいOKなので思っているほどハードルは高くないです。
【大食い】ラーメン二郎のルールを完全攻略!全マシマシを完飲完食しながら解説!【ラーメン二郎目黒店】飯テロ ramen
また、直系のお店だけではなく、「インスパイア系」と呼ばれる二郎を模したラーメン屋も多く存在します。
乳化?非乳化?
じゃあ二郎を再現して作ろうといっても、実はお店によってだいぶ趣が異なります。その中でも代表的な違いとしては、スープの「乳化」度合いが挙げられます。
「乳化」とはなんぞやというと、水と油のような本来混ざりあわないもの同士が混ざりあう現象のことを言います。水と油が混ざりあうと粘り気のある液体に変化し、例えばマヨネーズや、バターなんかを使って作られるフランス料理のソースなんかも乳化を利用して作られます。(ペペロンチーノもオリーブオイルに茹で汁を加えて乳化させています。)
では二郎でいう「乳化」度合いの違いはどういうことかというと、スープと油が混ざってとんこつラーメンのようにドロドロになっているか、それとも混ざらずに醤油ラーメンの上に液体油の膜が浮いてるか、ということになります。(前者が「乳化」二郎、後者が「非乳化」二郎です)
【上総村上駅 ラーメン】ちばから 千葉一の有名店でド乳化!超濃厚二郎系をすする!【Jiro Ramen】SUSURU TV.第251回
例えばこちらのお店、「ちばから」は直系ではなくインスパイア系ですが、超どろどろのど乳化スープのお店です。
一方こちらのお店は二郎上野毛店です。私も何回か訪問させてもらいましたが、映像をみてもわかるように、醤油ラーメンの上にめちゃくちゃ分厚い液体油の層が浮いています。(どのお店が乳化タイプ、非乳化タイプなのかは調べればすぐ出てきます。)
個人的には乳化二郎がめちゃくちゃ好きなので、今回作る年越し二郎はスープを乳化させたいと思います。
たれ、スープ、豚作り
前置きが長くなってしまいましたが、それでは作っていきましょう。今回はたれ、スープ、チャーシュー(二郎では通称「豚」)の制作工程が互いに絡まり合っているので、いつもとは違って、作業の時系列を追いながら書いていきたいと思います。
まずはかえし(醤油だれ)を作ります。二郎系はスープのインパクトが強いのでかえし自体は非常にシンプルで、醤油にみりん風調味料、大量の味の素を加えて煮立てれば完成です。
今回はスープ用だけではなく、味付きアブラを作るためにも使用するので気持ち多めに用意しておきましょう。
次にスープを作っていきます。ゲンコツ、背ガラを水につけ、血抜きをしていきます。冷凍保存してあるので流水で解凍するのも兼ねています。
血抜きが終わったら熱湯に入れ下ゆでをしていきます。まあだいたい5〜10分くらい茹でれば大丈夫かと思います。(くさみが気になる方はもっと下ゆでして大丈夫です。そんじょそこらの時間じゃうまみは出ません)
下ゆでが終わったあとは骨を軽く水洗いし、血のかたまりを取り除きます。その後ゲンコツだけ圧力鍋に入れ、1時間煮ていきます。(所有してる圧力鍋のサイズの問題もあるのですが、背ガラに比べてゲンコツはスープが出にくいので同時に煮込み始めると時間差が生じてしまうためです。)
そしたらこのスープを寸胴に移していきます。久々の登場です。
そこに背ガラと大量の背脂、にんにくを1房加えて煮込んでいきます。
先ほどの圧力鍋が空になったので、これと並行して今度は豚を煮込んでいきます。今回はすでに縛られたものを購入しましたが、そうじゃないブロック肉を使う場合には自分で縛りましょう。
20分ほど圧力をかけて煮込んだら豚はかえしにつけ、茹で汁はネギの頭、しょうがスライスごと寸胴に加えてさらに煮込んでいきます。豚をつけた醤油だれはラーメンのかえしとしても使用するので、完成したあともとっておいてください。
ここでスープを乳化させます。簡単に言うと、スープをぼっこぼっこあわ立てて煮込めば乳化し、表面がうっすら沸いている状態をキープすれば非乳化スープになります。
なので今回はぼっこぼっこ煮ていきます。
適度な頃合いでやわらかくなった背脂を細かくしていき、一部を取り出してかえしに漬け込むことで味付きアブラを作ります。
あとは好みの濃度になるまでひたすら煮詰めていき、完成です。
これで醤油だれ、スープ、豚すべて用意できました。
製麺
次に麺を作ります。今回の麺はなかなか手こずりそうで怖い...。
小麦粉はオーション、加水率は30%と低加水率なので水を加えても一見まとまらなさそうなパラパラになります。
実際これは手でいくらこねてもまとまらないので足の力でとりあえずひとかたまりにしたあと、製麺機で圧延していきます。(加水率が低いと生地がバッキバキになるのでふつうのパスタマシンだと壊れます。)
そしたら麺を切っていきます。
本来ならここで終わりですが、今回はここから一工夫していきます。
麺をパスタマシンで薄くしていきます。
切り出す前に生地を薄くするほうが楽なのですが、この加水率だとさすがにパスタマシンが壊れると思ったので今回は応急処置的にこの方法で作業しました。
そしたらこの麺に力をくわえて揉み、縮れさせていきます。
めちゃくちゃ二郎っぽい麺ができました。ただ加水率の低さで圧延がうまくいかず、けっこう切れやすくなってるので茹でたあとにちゃんと麺になってくれるかが不安です。
本調理
それでは本調理です。
まずは漬け込んだ豚をカットしてみます。
完璧な豚ができました。
さらに味付きアブラはこんな感じになりました。
そしたら野菜を茹で、ざるにあけたあと麺を茹でていきます。
あとはどんぶりにかえし、味の素、スープを注ぎ、そこに麺をくわえていきます。
そして各種トッピングをしていけば、、、
年越し二郎の完成です!!
実食
それでは実際に食べてみましょう。まずは豚から。
しっかりと食感はあるものの、筋っぽくなくとてもいい豚ができた。
野菜と味付きアブラも一緒に食べていきます。
お店で二郎を食べるときもかならずアブラトッピングをしてこの食べ方をしているのですが、やっぱりおいしいですね。正直これだけでもいいです。
次に麺。
やっぱり茹でたら切れちゃいましたね。これは今後の課題です。切れやすいという意味では前書きに書いた縁起的にはいいのかもしれないですが、もっとうまく製麺できるように精進します。でも見た目だけは完璧すぎる。ビジュアルの暴力。
最後にスープ。
みてもらえばわかると思いますがまだまだ乳化が足らないですね。それとも最後にスープを漉すときに背脂を潰してしまったので、そこで液体アブラができちゃったんでしょうか。濃度的にはしっかりとこってりしています。
最後に
今回は二郎系ラーメンを作りました。麺に大きな課題は残りますがそれ以外は概ねいい感じにできたんじゃないかと思います。
正直二郎系ラーメンはかえしもスープもレシピがとてもシンプルな分、作ってる側としてはなんか物足らない気分になってしまうのですが、たまにはこういう繊細の対極にあるラーメンもいいかなって思います。
今回も読んでくださりありがとうございました。今年も1年ラーメンを作り続けていきたいと思っていますので応援よろしくお願いします。