エビワンタン麺を作りたい(後編)
この記事は、エビワンタン麺を作りたい(前編)の続きです。前編をご覧になっていない方はそちらから読んでいただくとより楽しめると思います。
塩だれ作り
それでは塩だれを作っていきます。いまだにたれのちゃんとした作り方を確立できていないので今回も少し手探りではあります。
水に昆布をつけておき、煮立たせたあとに昆布を取り出して薄口醤油、みりんを加えます。
その後、風味づけのために干しエビ、干し貝柱、削り節などを加えてさらに煮立たせていきます。
最後に塩を加えて塩分を調整して完成です。今回は海鮮ということもあり藻塩を使用しました。
製麺
次に製麺を行います。麺に関しては何の変哲のない通常の麺を作ります。
いつものように「春よ恋」にかん水、塩を溶かした水を加えて水回しをし、ひとまとめにしたらしばらく休ませ、その後麺帯を作っていきます。
今回はパスタマシンで麺を切っていきます。
これで麺の完成です。ほんとうにシンプルな麺です。
本調理
それでは必要なものが全部そろったので本調理を行います。
スープを仕上げます。エビスープをベースに動物系スープ、塩だれを少しずつ加えながらスープの風味と味を調整していきます。
また、具材として偶然家にあった白菜をスープで煮ておきます。
その間に別の鍋でお湯を沸かし、麺とワンタンを茹でていきます。
麺が茹で上がったら丼に盛り、そこにスープをかけてワンタン、刻みネギを盛りつければ...
エビワンタン麺の完成です!
実食
それでは食べていきます。まずはスープから。
見た目でもわかる通りだいぶあっさりとしたスープになりました。ほんとはエビが凝縮されたようなややこってり目を意識したんですが、それにはエビの量が少し足らなかったかなという感じです。そうはいってもほのかにエビの香りがするスープで味としてはちゃんとまとまっています。
次に麺。
麺は基本失敗しないですね。むしろこのスープになったからこそこの麺がしっくりきた感じもあります。もうちょいこってりなら細めの麺のほうがもしかしたらあってたのかもっていう感じもします。
最後にエビワンタン。
まあワンタンなんて腐ってなけりゃどう作ってもうまいので感想を言ってもという感じですが、「たまもと」のかわりとして加えたマヨネーズはあんまり効果を感じられませんでした。もういっそのこと卵白とか加えたほうがふわふわになってたかも。
最後に
全体を通してエビの風味が香るラーメンを作ることができました。はじめに構想していたエビのエキスたっぷりという感じのエビラーメンではないにせよ、こういうのはあまり普段食べないタイプだったので、すごく新鮮な感じでした。
前作った煮干しラーメンのときもそうだったんですが、海鮮系をベースにするラーメンを作るときは後片付けをさぼるとキッチンがとんでもないにおいを発するので、夏場に作るもんじゃないなっていうのは感じました。
エビワンタン麺を作りたい(前編)
昔食べたエビラーメンを思い出した
ここ最近暑いせいかラーメン作りへのモチベーションがめっきり下がってました。そんな中、あるお店に行ってきました。
ここの名物は「海老泡つけ麺」で、エビの風味が香るつけ汁に生クリームのムースが浮いている珍しいつけ麺です。そういえば昔住んでた街でエビラーメンよく食べてたなぁなんて感傷に浸ってみたりすると、少しラーメン作りへのやる気を取り戻したような気になったので、エビの風味を効かせたラーメンを作ってみることにしました。せっかくなのでエビの身でワンタンも作っちゃいましょう。
エビワンタン作り
まずはエビワンタンを作ります。
とれたてのエビです。(嘘です)
このエビを解凍して殻をむいていきます。
このエビの殻でスープをとるつもりだったのですが、風味が超薄かったのでスープはちゃんとしたエビを使います。
エビの身のほうは背ワタを取り除きます。ざっくり言うと背ワタはエビの腸で、残すと臭みの原因になるものなので、どんな料理でも基本取り除きます。取り除き方はいろいろあるのですが、
- 背中から身を切り開いてとる
- 背中にうっすら黒く見えるところに竹串をさして引き上げて抜く
というのが主なやり方かと思います。今回はどうせあとで刻むので、切り開く方で行いました。
その後片栗粉を使って臭み取りの下処理を行います。海鮮や肉の内臓系はわりと念入りに下処理を行わないとふつうに臭みが残るので、ネットで調べられうる全部の下処理を行ったほうがいいです。
その後エビを刻んでひき肉、みじん切りにしたネギ、生姜などとあわせて粘りがでるまでこねていきます。
ここでちょっとチャレンジをして、マヨネーズを入れてみたいと思います。これは別にエビマヨがうまいとかそういう話ではなく、「たまもと」の代用として使いました。
「たまもと」とはなんぞやという話なんですが、簡単にいうと卵と油を練って作ったペースト状のもので、「しんじょう」やつくねを作るときにこれを混ぜることでふっくらさせる役割があります。材料や作り方からなんとなくわかると思いますが、要は酢抜きのマヨネーズみたいなものなので、マヨネーズを「たまもと」の代わりとして、ワンタンの具をふっくらさせるために入れてみました。
あとこねる際に手の熱でひき肉の脂が溶け出さないように具や手を冷やしながらかき混ぜていきます。
そしたらいま作った具をワンタンの皮で包んでエビワンタンは完成です。
エビスープ作り
次にエビスープを作ります。立派なエビを用意しました。
酒で煮ることでたぶん臭みがとれます。たぶん。
そしてこのエビを小鍋に入れ、昆布と一緒に寝ていきます。
そしてこれをごりごり潰していきます。
そしてどんどん煮詰めていけばエビスープの完成です。お好みで最後に削り節を入れて風味を足すのもよいかと思います。
これで完成です。この段階でちょっと味見したのですが、けっこう身の甘さがべたっと舌に張り付く感じなので、次やるときには殻だけ取り出して、かつもっといっぱい入れたらいい感じになるかなと思います。
動物系スープ作り
先ほど作ったエビスープだけではあまりに味が薄すぎるのでしっかりと土台として支える動物系スープを作ります。
材料は背ガラと鶏ガラです。水に漬けて血抜きをしたあと、5分ほど下茹でをしてから圧力鍋で15分煮ていきます。
その後各種野菜を加えていき、さらに煮ていきます。
はっきりいってポイントとかは特になく、あくまで主体はエビスープなのでシンプルに動物系のスープができていれば大丈夫です。
ということでこれで動物系スープは完成。次回は塩だれ作り、製麺から本調理まで行っていきたいと思います。
豚骨ラーメンを作りたい
豚骨ラーメンが珍しく食べたくなって
ラーメンブログをやってる身として初っぱなからこんなことをいうのもあれなんですが、豚骨ラーメン(いわゆる九州の白っぽいやつ)があまり好きではないんです。というのも、外で食べるにはお店の当たり外れが大きすぎるし、カップ麺でも思ったほどのがっつり感が得られないものが多いイメージがあって、これまであまり積極的に食べることがありませんでした。(その中でも明星から出されていた大砲シリーズは、豚骨特有の臭みや迫力を存分に再現していてとても好きでした。)
以前マルタイラーメンをアレンジして食べる記事を書きましたが、あれもマー油を作ったことでコクをプラスしたし、がっつりラーメンが食べたいなら別に九州の豚骨ラーメンじゃなくても、それよりがっつりしたラーメンはいっぱいあるのでそっちを食べることが多い気がします。
ただ、今回珍しく豚骨ラーメンが食べたい気分になったので、せっかくだし作ってみました。とはいってもあの低加水率の細麺を作れる道具がいま家にないので、麺は市販です。製麺を期待していた方、申し訳ありません。
スープ、チャーシュー作り
それではスープとチャーシューを作っていきたいと思います。スープはシンプルにゲンコツと背ガラを用意しました。
この2つを下茹でしたあと軽く水洗いをして血の塊などを取り除きます。以前は下茹で時間を5分ほどで済ませていたのですがとんこつの臭みが少し気になったので今回は気持ち長めに10〜15分ほど下茹でをしました。
その後、スープを炊いていく作業に入ります。げんこつと背ガラではいいスープが出るタイミングが異なるため、本来であれば煮込む時間やタイミングを分けたほうがいいのですが、一人暮らしでそんな手間はかけたくないので一緒くたに圧力鍋で煮込んでいきます。時間は、
①チャーシュー用の肉を入れて15分
②チャーシュー用の肉を取り出し1時間
③野菜を加え、減った水を足して同様に1時間
で行いました。
①終了後↓
②終了後↓
③終了後↓
ここからスープを白濁させるために強火でボコボコと煮込んでいきます。あとこのタイミングでネギの頭と昆布を入れました。
あとは好みの濃度、乳化度合いになるまでひたすら煮詰めていけば、豚骨スープは完成になります。
粘度を出す場合、豚足や豚頭などコラーゲンを多く含む部位を入れたり、じゃがいもを投入することが多いです。今回はそれを行わなかったので、こってりはしていますが粘度はそこまでありません。
途中で取り出したチャーシューは、いつもみたいに醤油だれに漬けるのではなく、煮からめて作ってみます。というのも、豚骨ラーメンは濃度こそしっかりしているものの塩っけとしてはそこまで強くはないので、チャーシューはわりとしっかり味付けしたほうがバランスがとれるかなと感じたからです。
フライパンに醤油、酒、みりん、砂糖を投入して粘度が出るまで煮詰めていきます。
ここに先ほど取り出したチャーシューを入れて煮からめていきます。照り焼きみたいなイメージです。
汁気がなくなるまで煮詰めたらこれでチャーシューの完成です。味を落ち着かせるためにいったん冷ましておきます。
たれ作り
次はラーメンのたれを作っていきます。たれはいまだに正解の作り方を全然つかめていません。どうやら塩分濃度を意識しながら作るのがたれ作りには欠かせないみたいですが、これを作ってるときにはそんなことも知らず適当に作っています。
豚骨ラーメンの場合は、たれでスープに色付けをしないように気をつけます。まず昆布と生姜を水につけて、火にかけます。
ここに岩塩と薄口醤油をほんの少し入れ、最後に削り節を投入して漉したらたれの完成です。
本調理
それでは本調理に移ります。まずは休ませたチャーシューを切ります。
その他の具材は万能ネギ、刻みにんにく、ごま、紅生姜を用意しました。
それではどんぶりにたれ、スープを注ぎます。スープの表面に油がめっちゃ浮かんでいるんですが、全部いれると確実にもたれるのである程度は取り除くようにします。
麺は設備の関係上、今回は市販のものを使います。茹で時間1分なので時間との勝負です。
麺が茹で上がったら丼に入れ、盛り付けをしていけば...
豚骨ラーメンの完成です!
実食
それでは食べていきます。まずはスープから。
先述した通り、粘度こそ物足りなさを感じますが、味は完全に豚骨ラーメンになっています。ただやっぱりたれの塩分濃度をしっかり計算しないとなぁという気持ち。次回のラーメンにいかします。
次に麺。
市販の麺なので感想もなにもないんですが、まあこのスープならこの麺だよねという感じです。豚骨ラーメンは細麺、低加水率のおかげでスープをしっかりと吸収するので、やっぱり細麺ですね。塩気を強めた醤油豚骨ラーメンなら気持ち太い麺のほうが合うのも納得します。
次に力作のチャーシュー。
これ、めっちゃうまい。チャーシュー自体にしっかりと味がついていておいしいのもあるんですが、このスープに本当にぴったり。スープ自体の濃度や塩っけで具材の味付けを変えるの、プロデュース感があってとても楽しい。
最後に
全体として完成度の高い豚骨ラーメンを作ることができました。スープに関しては基本は問題なく、あとは加える野菜とかたれの調整とか、そのあたりを高めていければと思います。もし今度豚骨ラーメンを作るとしたら、背脂をフィーチャーした豚骨ラーメンがよさそうだなと思っています。
夢みたいな冷やし中華を食べよう
暑い夏に食べたいもの...
夏はほんとうにつらい。暑くてなにもする気がおきない。典型的な夏バテなのですが、夏バテで一番困るのは食欲が全くわかないこと。さすがになにかおなかに入れておかないと日差しにやられて倒れちゃうと思ってなにか食べようとすると、真っ先に思い浮かぶのはそうめんやもりそばみたいな冷たい麺。これならなんとか胃に入れることができるので夏は常にストックしておくようにしています。
そんな冷たい麺カテゴリーに属するものとして冷やし中華もあるのですが、実は冷やし中華があんまり得意ではなくて、思い返してみれば最後に冷やし中華を食べたのって中学生くらいだったような。せっかくラーメンブログをやってるんだから夏には冷やし中華の記事をあげたいけど冷やし中華あんまり好きじゃないな、というアンビバレントを、夢みたいな冷やし中華を作ることで昇華してみました。
たれの準備
冷やし中華のたれって大きくわけて醤油だれとごまだれの2つがあると思います。市販でもお店でもよく見るのって醤油だれのほうだと思うんですが、このたれがあんまり好きじゃなくてずっと冷やし中華を避けてきました。ということで今回はごまだれを選択します。夢みたいな冷やし中華なのでたれだって自分で選べちゃう。
ごまだれは市販のごまドレッシングを使ってもいいのですが、せっかくならねりごまから作ってみましょう。ねりごまをゆずポン酢と水で溶き、好みにあわせてお酢や砂糖などを加えてバランスを整えていけばごまだれは完成です。
具材の準備
次に具材です。ベーシックな冷やし中華だと上に乗ってるのは錦糸卵、ハム、きゅうりなんかだと思います。また個人的な話ですがハムがあんまり好きじゃないのでもっとしっかりとしたお肉を乗せちゃおうと思います。
ということで鶏もも肉を用意します。これをゆずポン酢につけてなじませます。(黒い点はたぶん柚子胡椒か本物の胡椒です)
そしてこれをつけだれごとジップロックで密閉し、低温調理していきます。今回は60℃で60分だったと思いますが、もし実際に低温調理をされる際には温度と時間はしっかりと調べてから各自の責任のもとお願いします。
ちなみに今回は肉の表面を焼かずそのままジップロックに入れました。前回家系ラーメンを作った時には表面を焼きましたが、あれはつけだれをラーメンのかえしとして使用する関係で生肉を漬けたくなかったから。今回はこのたれは別に使わないので生肉のまま低温調理しました。
(以前の家系ラーメンの記事はこちら↓)
1時間後、こんな感じで鶏肉が仕上がりました。
実はこれで終わりません。この鶏肉をなんと...
揚げちゃいます。最高ですね。
揚げる際には表面の水分をきちんと拭き取って、片栗粉などで衣をまぶしてから油に投げ入れてください。
ということでこんな感じに仕上がりました。
完璧です。もうこれだけでいいってくらいの揚げ鶏が完成しました。
その他の具材の準備
具材が揚げ鶏だけでは見た目の彩りがどうしても気になるのでちゃんと野菜も用意しました。
トマトは外しました。高いので。
製麺
ラーメンブログなのでちゃんと麺も作っていきます。正直ここまでくると冷やし中華か?という疑問がわいてくるので、麺だけはオーソドックスにちょい細めのちぢれ麺を作っていこうと思います。
ということでいつものように強力粉にかんすい、塩をとかした水を加えながら水回しをして、ひとまとめにします。
しばらく寝かせたあと、製麺機で圧延を繰り返し、いい薄さになったら今回はパスタマシンで切っていきます。
ということで麺の切り出しが終わりました。あとはこれを手で揉んでちぢれをつけていきます。
そしたら麺の完成です。
思ったより細くなっちゃったなと思いつつ、これで全部の準備が整ったのであとは本調理にうつりましょう。
本調理
それでは本調理です。麺を茹でます。
茹で上がったら水でしめてお皿に盛りつけます。生麺を水でしめる作業は表面のぬめりをとる目的もあるので、ざるの上で麺同士をこすらせながらしっかりと洗ったあと、冷水でしめると効果的です。
そしたらここに具材をもりつけてごまだれをかければ...
夢みたいな冷やし中華の完成!!
実食
さっそく食べてみましょう。まずは気になってた揚げ鷄から。
あーこれはうまい以外ないですね。たれがかかる関係で衣がべちゃつきがちになりますが、そこは揚げ方の問題でなんとかなるような気がします。味付けも申し分ないです。
次に全く見えない麺を底から引っ張り上げます。
ふつうに麺としては十分なのですが、具材が強すぎてこれ冷やし中華である必要あるか?って感じになってるのは否めない。それと、たれの粘度がけっこう重たいせいで細麺だと過剰にたれを持ち上げすぎちゃう感じがある。これは具材とのバランスを考えても太麺にしたほうが可能性はあるな、という感じ。
これはこれで全然おいしいんだけど、全体としてごまだれが重たい分麺をすするって感じにならなくて、ラーメンサラダみたいになっちゃってる。だから、もっと麺を主役にする工夫をしたら冷やし中華として全体のクオリティーがアップするのかな、と思う。
最後に
そうはいっても今回はかなり夢のつまった冷やし中華を作ることができました。低温調理にもだんだん慣れてきたし、可能性が大きく広がってきた。せっかくだし夏のうちに冷たい麺をもうひとつくらい作りたいなぁ、と思います。もう8月も折り返しだけど。
家系ラーメンを作りたい(後編)
この記事は、「家系ラーメンを作りたい(前編)」の続きになります。前編をご覧になってない方はさきにこちらをご覧になるとより楽しめます。
製麺
前回スープやチャーシュー、たれ作りまで終えました。今回は製麺から開始したいと思います。意識は酒井製麺のような短いストレート麺ですが、個人的には家系のスープはもっとあう麺がありそうな気がします。
ということで粉にかんすい、塩を溶かした水を加えていきます。加水率はやや低めを意識しました。本来であれば家系自作界隈でおなじみの小麦粉「特ナンバーワン」や、それに近い「スーパーカメリヤ」を使用するのがいいかと思いますが、今回は用意できなかったのでいつも通り「春よ恋」を使っています。
これをまとめて圧延、切り出しを行っていけば麺の完成です。
今回はパスタマシンで麺を切りました。
本調理
それでは本調理です。
どんぶりに醤油だれと刻んだネギを入れます。
そしたらそこにスープを注ぎます。
その間にお湯を沸かして麺を茹でます。
茹で上がった麺をどんぶりに盛り付けて、上に具材をトッピングすれば...
家系ラーメンの完成です!
実食
では食べてみます。まずはスープから。
けっこう煮詰めたつもりですが家系っぽい粘度には程遠いですね。これは単純に煮込み時間の問題な気がしています。あと鶏油はちゃんと別に抽出したほうがよさそうです。味に関しては思った以上に家系に近い味にはなっています。とりあえず冷凍庫にあった鶏ガラととんこつをぶちこんだだけなのにかなりいい線いっている気がします。
次に麺。
太さ、長さはだいたい近いところにありますがもうちょっと平たさがあると近い麺になれたかなと思います。麺って茹でるとけっこうサイズ感が変わるのでそれを意識して生麺を作ることに慣れないとな、と感じます。前にもいいましたが個人的に家系はおなじみのあの麺よりももっとあう麺があると思うので、無理に近づけなくてもいいといえばいいんですが。
実験的に作ってみた低温調理のチャーシューを食べてみます。
正直な話、うまいにはうまいんですが家系ラーメンにはあわないです。やっぱりあの焼豚のパサっとしたチャーシューが合うんだなというのは再認識させられました。何がうまくマッチしないんですかね。ちょっとそこは今後しっかり考えて、他のラーメンのチャーシュー作りに応用できればと思います。
最後に
という感じで自分で作ったのでけっこう細かく気になった部分は書いてはいますが、全体的にはうまくできたと感じます。いろんな骨を入れて大変そうな感じもありますが、はっきりいって前に作った煮干しラーメンのほうが段違いでめんどくさいです。なので自宅の冷凍庫に骨を余らせている方はぜひチャレンジをしてみてください。
家系ラーメンを作りたい(前編)
在庫処分
みなさん骨にも賞味期限があるって知ってましたか?ぼくは知らなかったです。いつも使ってる肉のハナマサで買う骨は、だいたい2〜3ヶ月ほどで期限になります。今回は、その賞味期限が近づいた骨たちが冷凍庫にたんまり眠っていたので、それを投入しまくって家系ラーメンを作ってみたいと思います。
家系ラーメンとは?
ラーメンの種類の中でもうおなじみになった感のある家系ラーメン。簡単に説明すると、横浜にある吉村家を発祥とした醤油とんこつラーメンの系譜です。特徴はいろいろあるのですが、簡単にまとめると、
- とんこつ(ゲンコツ、背ガラ)、鶏ガラをベースにひたすら煮込んだこってりスープ
- 長さが短いストレート麺(酒井製麺の麺を使用するお店が多い)
- 鶏油を使う
- 具材はのり、チャーシュー、ほうれん草がメイン
- 注文時に麺の固さ、味の濃さ、油の量をカスタマイズできる
といった特徴があります。(もちろんこれら全部を満たさないといけないといった厳密なルールはなく、これらの特徴をベースとした発展系も多くあります。)
個人的に、麺はいわゆる家系の麺じゃない麺のほうがおいしくなりそうな予感があったりするのですが、今回はこの特徴にできるだけ忠実に作ってみたいと思います。前半はスープ、たれ、チャーシュー作りまで、後編では製麺から本調理まで行います。
スープ作り
ではスープを作っていきます。まずはゲンコツ、背ガラを下ゆでします。
そしたらゲンコツは長時間煮ないとうまみが出てこないので圧力鍋へ、背ガラは血抜きや内臓の処理をした鶏ガラと一緒に寸胴に投げ入れて煮込むことにします。
その後しばらく煮込んでいくとこんな感じになりました。(上がゲンコツ、下が寸胴)
そしたら圧力鍋の中身すべて寸胴に合流させ、さらにぐつぐつ煮込んでいきます。
ひたすら煮込むとかなり白さが出てきました。
そしたら最後の仕上げとしてここに鶏皮、野菜や昆布を入れて煮込んでいきます。鶏皮に関しては鶏油要員だったのですが、スープに投入するよりも別で鶏油を抽出したほうがカスタマイズができるのでよかった気がします。
そしてさらに煮込んでいって、お望みの濃さまで煮詰めたら漉してスープの完成です。
たれ作り
では醤油だれを作ります。この作業はそこまで大変ではないです。
醤油に塩と味の素を入れてひたすら煮詰めていきます。
そしたら完成です。今回はチャーシューのつけだれにもこのたれを使用したので、気持ち多めに用意しました。
チャーシュー作り
ではチャーシューを作ります。家系ではスープと一緒に煮込むタイプのチャーシューではなく、別に焼いておくタイプのチャーシューが使われることが多いです。個人的に焼き豚がそこまで好きじゃないこともあって、今回は以前導入した低温調理器でチャーシューを作ってみたいと思います。
まずお肉を縛ります。
そしたら表面に焼き色をつけます。これは単純に、このあとさっきのたれに浸して低温調理するという関係上、生肉をつけちゃうとそのあとラーメンの醤油だれとして使用できなくなってしまうためです。まあ低温調理とはいっても加熱するのであれですが、不安な人はしっかりと表面を焼くか、チャーシュー用のたれと醤油だれを別に作りましょう。
そしてジップロックの中に焼いた肉と醤油だれを入れ、62度で2時間、低温調理をしていきます。(温度、時間に関しては検索するといろいろ出てきますが、下手すると食中毒の危険性もついてくるものなので、最終的には複数の信頼できる情報源のもと、自己責任でお願いします。)
2時間後、チャーシューはこんな感じになりました。
あとは好みですが、念には念を入れてさらに表面に焦げ目をつけたらチャーシューの完成です。ちなみに断面はこんな感じになりました。
今回はここまで。次回は製麺から本調理まで進めていきたいと思います。
煮干しラーメンを作りたい(後編)
この記事は、「煮干しラーメンを作りたい(前編)」の続きになります。前編をご覧になってない方は以下の前編の記事を読んでいただくとより楽しめると思います。
製麺
前回スープ、チャーシュー、醤油だれまで作りました。今回は製麺からスタートしたいと思います。個人的に煮干しラーメンといえば「すごい煮干しラーメン 凪」が浮かぶので、あんな感じの中太もちもちな縮れ麺を目指します。
今回は加水率を高め(38%)にしたので、圧延、切り出しの際には打ち粉をしっかりとはたいておきます。
そして麺を切り出します。こうやって麺が出てくるシーンはいつみても気持ちがいいです。
ということで切り出しが完了しましたが、ここから縮れ麺にするために手でひたすら揉んでいきます。縮れ麺は切り出しの際になにか工夫するとか刃が違うとかそういうことではなく手で揉んで縮れを作るというとても原始的なものです。
BEFORE
AFTER
ということで麺は完成です。
トッピング作り
トッピングを準備します。
味玉は箸休め的な意味で乗せたかったので、あまり味を濃くしないように白だしベースでそこに醤油やみりんなどを適量加えました。
それ以外ではネギ2種類(上に乗せるための九条ネギとスープにうかべる白いネギ)、煮干しラーメンにはおなじみの玉ねぎのみじん切り、あと挑戦の意味も込めてすだちを用意しました。すだちって焼き魚にかけるものだし煮干しにも合うだろうという単純な発想です。
さらに今回はチャーシューに一手間加えたいと思います。ということで新兵器を導入しました。
はい、ガスバーナーです。これで全力で炙っていきます。
炙りって食べるのも最高ですが、それ以上に見てるのが幸せですよね。世界平和。
ということでトッピングが用意できました。
本調理
それでは本調理です。どんぶりは事前にお湯を注いであっためておいて、しばらくしたらお湯を捨ててそこに醤油だれ(チャーシューを漬けたあのたれ)とネギを入れておきます。その間に麺を茹でる用のお湯を沸かし、煮干しスープも加熱し直しておきます。この本調理の作業は時間との勝負で、並行していくつもの作業を行うので脳がバグります。
麺を茹でます。せっかくなら広いお湯で泳いだほうが麺が気持ち良さそうなので寸胴で茹でています。
その間に加熱しておいたスープを丼に注ぎます。
そしてトッピングを乗せていけば...
煮干しラーメンの完成です。
実食
それでは食べていきます。まずはスープから。
今回はスープに浮かぶ油を取らずに使ったので少ししつこい感じもありますが、バランスとしては最高にとれています。醤油だれも適度な甘さがあり、煮干しの塩気といい具合にマッチしています。欲を言えばもうちょっと濃い煮干しラーメンを目指したかったですがこれはこれでおいしいです。
次に麺。
これはほぼ完璧にできたと思います。縮れ具合ももちもち感もちょうどよく、自分の描いていた麺が完成しました。スープともよくマッチしています。
そして初挑戦の炙りチャーシュー。
まあもちろんおいしいです。ただ、スープの油を取らずに入れた関係か、豚バラ肉だと全体的に油が少々しつこい感じになってしまいました。このくらいの薄さでスライスするなら別の豚肉にするか、もうちょっと厚めに切っていればまた変わったかもしれません。
ちなみに挑戦的にいれてみたすだちですが、悪くはないです。ただ、写真に乗っているような半分の量だと多すぎる気もするので、もし煮干しラーメンにすだちをいれてみたい人はそこらへんの加減をうまく考えてみてください。
最後に
煮干しラーメンを1から作ってみましたが、最初の予想に反して今までのラーメンの中で一番工程も多く大変でした。だいぶおいしくできましたが煮干しラーメンは入れる煮干しの種類や濃度など、工夫次第でいろんなバリエーションがあるので、気が向いたらそのあたりも挑戦したいかなとは思っています。ただ、もしこれからはじめてラーメン作ってみようっていう人にはまじでおすすめしません。(たぶん味噌ラーメンが一番楽です。今度記事にします。)