ほぼ週刊のラーメンコラム

ラーメン作り, ラーメンの紹介, 一人暮らし

夢みたいな冷やし中華を食べよう

暑い夏に食べたいもの...

夏はほんとうにつらい。暑くてなにもする気がおきない。典型的な夏バテなのですが、夏バテで一番困るのは食欲が全くわかないこと。さすがになにかおなかに入れておかないと日差しにやられて倒れちゃうと思ってなにか食べようとすると、真っ先に思い浮かぶのはそうめんやもりそばみたいな冷たい麺。これならなんとか胃に入れることができるので夏は常にストックしておくようにしています。

そんな冷たい麺カテゴリーに属するものとして冷やし中華もあるのですが、実は冷やし中華があんまり得意ではなくて、思い返してみれば最後に冷やし中華を食べたのって中学生くらいだったような。せっかくラーメンブログをやってるんだから夏には冷やし中華の記事をあげたいけど冷やし中華あんまり好きじゃないな、というアンビバレントを、夢みたいな冷やし中華を作ることで昇華してみました。

たれの準備

冷やし中華のたれって大きくわけて醤油だれとごまだれの2つがあると思います。市販でもお店でもよく見るのって醤油だれのほうだと思うんですが、このたれがあんまり好きじゃなくてずっと冷やし中華を避けてきました。ということで今回はごまだれを選択します。夢みたいな冷やし中華なのでたれだって自分で選べちゃう。

ごまだれは市販のごまドレッシングを使ってもいいのですが、せっかくならねりごまから作ってみましょう。ねりごまをゆずポン酢と水で溶き、好みにあわせてお酢や砂糖などを加えてバランスを整えていけばごまだれは完成です。

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具材の準備

次に具材です。ベーシックな冷やし中華だと上に乗ってるのは錦糸卵、ハム、きゅうりなんかだと思います。また個人的な話ですがハムがあんまり好きじゃないのでもっとしっかりとしたお肉を乗せちゃおうと思います。

ということで鶏もも肉を用意します。これをゆずポン酢につけてなじませます。(黒い点はたぶん柚子胡椒か本物の胡椒です)

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そしてこれをつけだれごとジップロックで密閉し、低温調理していきます。今回は60℃で60分だったと思いますが、もし実際に低温調理をされる際には温度と時間はしっかりと調べてから各自の責任のもとお願いします。

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ちなみに今回は肉の表面を焼かずそのままジップロックに入れました。前回家系ラーメンを作った時には表面を焼きましたが、あれはつけだれをラーメンのかえしとして使用する関係で生肉を漬けたくなかったから。今回はこのたれは別に使わないので生肉のまま低温調理しました。

(以前の家系ラーメンの記事はこちら↓)

 

ramencolumn.hatenablog.jp

 

ramencolumn.hatenablog.jp

 

1時間後、こんな感じで鶏肉が仕上がりました。

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実はこれで終わりません。この鶏肉をなんと...

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揚げちゃいます。最高ですね。

揚げる際には表面の水分をきちんと拭き取って、片栗粉などで衣をまぶしてから油に投げ入れてください。

ということでこんな感じに仕上がりました。

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完璧です。もうこれだけでいいってくらいの揚げ鶏が完成しました。

その他の具材の準備

具材が揚げ鶏だけでは見た目の彩りがどうしても気になるのでちゃんと野菜も用意しました。

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トマトは外しました。高いので。

製麺

ラーメンブログなのでちゃんと麺も作っていきます。正直ここまでくると冷やし中華か?という疑問がわいてくるので、麺だけはオーソドックスにちょい細めのちぢれ麺を作っていこうと思います。

ということでいつものように強力粉にかんすい、塩をとかした水を加えながら水回しをして、ひとまとめにします。

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しばらく寝かせたあと、製麺機で圧延を繰り返し、いい薄さになったら今回はパスタマシンで切っていきます。

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ということで麺の切り出しが終わりました。あとはこれを手で揉んでちぢれをつけていきます。

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そしたら麺の完成です。

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思ったより細くなっちゃったなと思いつつ、これで全部の準備が整ったのであとは本調理にうつりましょう。

本調理

それでは本調理です。麺を茹でます。

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茹で上がったら水でしめてお皿に盛りつけます。生麺を水でしめる作業は表面のぬめりをとる目的もあるので、ざるの上で麺同士をこすらせながらしっかりと洗ったあと、冷水でしめると効果的です。

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そしたらここに具材をもりつけてごまだれをかければ...

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夢みたいな冷やし中華の完成!!

実食

さっそく食べてみましょう。まずは気になってた揚げ鷄から。

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あーこれはうまい以外ないですね。たれがかかる関係で衣がべちゃつきがちになりますが、そこは揚げ方の問題でなんとかなるような気がします。味付けも申し分ないです。

次に全く見えない麺を底から引っ張り上げます。

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ふつうに麺としては十分なのですが、具材が強すぎてこれ冷やし中華である必要あるか?って感じになってるのは否めない。それと、たれの粘度がけっこう重たいせいで細麺だと過剰にたれを持ち上げすぎちゃう感じがある。これは具材とのバランスを考えても太麺にしたほうが可能性はあるな、という感じ。

これはこれで全然おいしいんだけど、全体としてごまだれが重たい分麺をすするって感じにならなくて、ラーメンサラダみたいになっちゃってる。だから、もっと麺を主役にする工夫をしたら冷やし中華として全体のクオリティーがアップするのかな、と思う。

最後に

そうはいっても今回はかなり夢のつまった冷やし中華を作ることができました。低温調理にもだんだん慣れてきたし、可能性が大きく広がってきた。せっかくだし夏のうちに冷たい麺をもうひとつくらい作りたいなぁ、と思います。もう8月も折り返しだけど。

家系ラーメンを作りたい(後編)

この記事は、「家系ラーメンを作りたい(前編)」の続きになります。前編をご覧になってない方はさきにこちらをご覧になるとより楽しめます。

ramencolumn.hatenablog.jp

 

 製麺

前回スープやチャーシュー、たれ作りまで終えました。今回は製麺から開始したいと思います。意識は酒井製麺のような短いストレート麺ですが、個人的には家系のスープはもっとあう麺がありそうな気がします。

ということで粉にかんすい、塩を溶かした水を加えていきます。加水率はやや低めを意識しました。本来であれば家系自作界隈でおなじみの小麦粉「特ナンバーワン」や、それに近い「スーパーカメリヤ」を使用するのがいいかと思いますが、今回は用意できなかったのでいつも通り「春よ恋」を使っています。

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これをまとめて圧延、切り出しを行っていけば麺の完成です。

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今回はパスタマシンで麺を切りました。

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 本調理

それでは本調理です。

どんぶりに醤油だれと刻んだネギを入れます。

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そしたらそこにスープを注ぎます。

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その間にお湯を沸かして麺を茹でます。

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茹で上がった麺をどんぶりに盛り付けて、上に具材をトッピングすれば...

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家系ラーメンの完成です!

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実食

では食べてみます。まずはスープから。

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けっこう煮詰めたつもりですが家系っぽい粘度には程遠いですね。これは単純に煮込み時間の問題な気がしています。あと鶏油はちゃんと別に抽出したほうがよさそうです。味に関しては思った以上に家系に近い味にはなっています。とりあえず冷凍庫にあった鶏ガラととんこつをぶちこんだだけなのにかなりいい線いっている気がします。

次に麺。

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太さ、長さはだいたい近いところにありますがもうちょっと平たさがあると近い麺になれたかなと思います。麺って茹でるとけっこうサイズ感が変わるのでそれを意識して生麺を作ることに慣れないとな、と感じます。前にもいいましたが個人的に家系はおなじみのあの麺よりももっとあう麺があると思うので、無理に近づけなくてもいいといえばいいんですが。

実験的に作ってみた低温調理のチャーシューを食べてみます。

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正直な話、うまいにはうまいんですが家系ラーメンにはあわないです。やっぱりあの焼豚のパサっとしたチャーシューが合うんだなというのは再認識させられました。何がうまくマッチしないんですかね。ちょっとそこは今後しっかり考えて、他のラーメンのチャーシュー作りに応用できればと思います。

最後に

という感じで自分で作ったのでけっこう細かく気になった部分は書いてはいますが、全体的にはうまくできたと感じます。いろんな骨を入れて大変そうな感じもありますが、はっきりいって前に作った煮干しラーメンのほうが段違いでめんどくさいです。なので自宅の冷凍庫に骨を余らせている方はぜひチャレンジをしてみてください。

家系ラーメンを作りたい(前編)

在庫処分

みなさん骨にも賞味期限があるって知ってましたか?ぼくは知らなかったです。いつも使ってる肉のハナマサで買う骨は、だいたい2〜3ヶ月ほどで期限になります。今回は、その賞味期限が近づいた骨たちが冷凍庫にたんまり眠っていたので、それを投入しまくって家系ラーメンを作ってみたいと思います。

家系ラーメンとは?

ラーメンの種類の中でもうおなじみになった感のある家系ラーメン。簡単に説明すると、横浜にある吉村家を発祥とした醤油とんこつラーメンの系譜です。特徴はいろいろあるのですが、簡単にまとめると、

  • とんこつ(ゲンコツ、背ガラ)、鶏ガラをベースにひたすら煮込んだこってりスープ
  • 長さが短いストレート麺(酒井製麺の麺を使用するお店が多い)
  • 鶏油を使う
  • 具材はのり、チャーシュー、ほうれん草がメイン
  • 注文時に麺の固さ、味の濃さ、油の量をカスタマイズできる

といった特徴があります。(もちろんこれら全部を満たさないといけないといった厳密なルールはなく、これらの特徴をベースとした発展系も多くあります。)

個人的に、麺はいわゆる家系の麺じゃない麺のほうがおいしくなりそうな予感があったりするのですが、今回はこの特徴にできるだけ忠実に作ってみたいと思います。前半はスープ、たれ、チャーシュー作りまで、後編では製麺から本調理まで行います。

スープ作り

ではスープを作っていきます。まずはゲンコツ、背ガラを下ゆでします。

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そしたらゲンコツは長時間煮ないとうまみが出てこないので圧力鍋へ、背ガラは血抜きや内臓の処理をした鶏ガラと一緒に寸胴に投げ入れて煮込むことにします。

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その後しばらく煮込んでいくとこんな感じになりました。(上がゲンコツ、下が寸胴)

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そしたら圧力鍋の中身すべて寸胴に合流させ、さらにぐつぐつ煮込んでいきます。

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ひたすら煮込むとかなり白さが出てきました。

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そしたら最後の仕上げとしてここに鶏皮、野菜や昆布を入れて煮込んでいきます。鶏皮に関しては鶏油要員だったのですが、スープに投入するよりも別で鶏油を抽出したほうがカスタマイズができるのでよかった気がします。

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そしてさらに煮込んでいって、お望みの濃さまで煮詰めたら漉してスープの完成です。

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たれ作り

では醤油だれを作ります。この作業はそこまで大変ではないです。

醤油に塩と味の素を入れてひたすら煮詰めていきます。

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そしたら完成です。今回はチャーシューのつけだれにもこのたれを使用したので、気持ち多めに用意しました。

チャーシュー作り

ではチャーシューを作ります。家系ではスープと一緒に煮込むタイプのチャーシューではなく、別に焼いておくタイプのチャーシューが使われることが多いです。個人的に焼き豚がそこまで好きじゃないこともあって、今回は以前導入した低温調理器でチャーシューを作ってみたいと思います。

まずお肉を縛ります。

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そしたら表面に焼き色をつけます。これは単純に、このあとさっきのたれに浸して低温調理するという関係上、生肉をつけちゃうとそのあとラーメンの醤油だれとして使用できなくなってしまうためです。まあ低温調理とはいっても加熱するのであれですが、不安な人はしっかりと表面を焼くか、チャーシュー用のたれと醤油だれを別に作りましょう。

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そしてジップロックの中に焼いた肉と醤油だれを入れ、62度で2時間、低温調理をしていきます。(温度、時間に関しては検索するといろいろ出てきますが、下手すると食中毒の危険性もついてくるものなので、最終的には複数の信頼できる情報源のもと、自己責任でお願いします。)

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2時間後、チャーシューはこんな感じになりました。

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あとは好みですが、念には念を入れてさらに表面に焦げ目をつけたらチャーシューの完成です。ちなみに断面はこんな感じになりました。

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今回はここまで。次回は製麺から本調理まで進めていきたいと思います。

煮干しラーメンを作りたい(後編)

この記事は、「煮干しラーメンを作りたい(前編)」の続きになります。前編をご覧になってない方は以下の前編の記事を読んでいただくとより楽しめると思います。

ramencolumn.hatenablog.jp

 

 製麺

前回スープ、チャーシュー、醤油だれまで作りました。今回は製麺からスタートしたいと思います。個人的に煮干しラーメンといえば「すごい煮干しラーメン 凪」が浮かぶので、あんな感じの中太もちもちな縮れ麺を目指します。

今回は加水率を高め(38%)にしたので、圧延、切り出しの際には打ち粉をしっかりとはたいておきます。

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そして麺を切り出します。こうやって麺が出てくるシーンはいつみても気持ちがいいです。

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ということで切り出しが完了しましたが、ここから縮れ麺にするために手でひたすら揉んでいきます。縮れ麺は切り出しの際になにか工夫するとか刃が違うとかそういうことではなく手で揉んで縮れを作るというとても原始的なものです。

BEFORE

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AFTER

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ということで麺は完成です。

トッピング作り

トッピングを準備します。

味玉は箸休め的な意味で乗せたかったので、あまり味を濃くしないように白だしベースでそこに醤油やみりんなどを適量加えました。

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それ以外ではネギ2種類(上に乗せるための九条ネギとスープにうかべる白いネギ)、煮干しラーメンにはおなじみの玉ねぎのみじん切り、あと挑戦の意味も込めてすだちを用意しました。すだちって焼き魚にかけるものだし煮干しにも合うだろうという単純な発想です。

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さらに今回はチャーシューに一手間加えたいと思います。ということで新兵器を導入しました。

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はい、ガスバーナーです。これで全力で炙っていきます。

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炙りって食べるのも最高ですが、それ以上に見てるのが幸せですよね。世界平和。

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ということでトッピングが用意できました。

本調理

それでは本調理です。どんぶりは事前にお湯を注いであっためておいて、しばらくしたらお湯を捨ててそこに醤油だれ(チャーシューを漬けたあのたれ)とネギを入れておきます。その間に麺を茹でる用のお湯を沸かし、煮干しスープも加熱し直しておきます。この本調理の作業は時間との勝負で、並行していくつもの作業を行うので脳がバグります。

麺を茹でます。せっかくなら広いお湯で泳いだほうが麺が気持ち良さそうなので寸胴で茹でています。

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その間に加熱しておいたスープを丼に注ぎます。

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そしてトッピングを乗せていけば...

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煮干しラーメンの完成です。

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実食

それでは食べていきます。まずはスープから。

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今回はスープに浮かぶ油を取らずに使ったので少ししつこい感じもありますが、バランスとしては最高にとれています。醤油だれも適度な甘さがあり、煮干しの塩気といい具合にマッチしています。欲を言えばもうちょっと濃い煮干しラーメンを目指したかったですがこれはこれでおいしいです。

次に麺。

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これはほぼ完璧にできたと思います。縮れ具合ももちもち感もちょうどよく、自分の描いていた麺が完成しました。スープともよくマッチしています。

そして初挑戦の炙りチャーシュー。

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まあもちろんおいしいです。ただ、スープの油を取らずに入れた関係か、豚バラ肉だと全体的に油が少々しつこい感じになってしまいました。このくらいの薄さでスライスするなら別の豚肉にするか、もうちょっと厚めに切っていればまた変わったかもしれません。

ちなみに挑戦的にいれてみたすだちですが、悪くはないです。ただ、写真に乗っているような半分の量だと多すぎる気もするので、もし煮干しラーメンにすだちをいれてみたい人はそこらへんの加減をうまく考えてみてください。

最後に

煮干しラーメンを1から作ってみましたが、最初の予想に反して今までのラーメンの中で一番工程も多く大変でした。だいぶおいしくできましたが煮干しラーメンは入れる煮干しの種類や濃度など、工夫次第でいろんなバリエーションがあるので、気が向いたらそのあたりも挑戦したいかなとは思っています。ただ、もしこれからはじめてラーメン作ってみようっていう人にはまじでおすすめしません。(たぶん味噌ラーメンが一番楽です。今度記事にします。)

煮干しラーメンを作りたい(前編)

 にぼ感を求めて

煮干しラーメンって、いいですよね。なんでか突然衝動的に食べたくなる。動物の骨からとったスープとはまた一味違った独特の風味はもちろん、煮干しのしょっぱさと醤油の甘さがマッチしてとてもおいしい。煮干しラーメンって煮干しが原料なわけなので豚の骨をがんがん煮込んでいくタイプのラーメンより作りやすそうなイメージがありますし、せっかくなので作ってみます。とりあえず前半は醤油だれ、スープ作りまで。後半は製麺から本調理まで行います。

煮干しを調達

さっそく煮干しラーメンを食べたい勢いのままスーパーに向かうといろんな種類の煮干しがあります。細かく言えばめちゃくちゃ種類はあるけれど、だいたいの煮干しは「カタクチイワシ」が原料になっています。

さらに調べてみるとカタクチイワシが獲れる場所によって「白口」と「青口」があるそう。白口のほうは瀬戸内海のような内海で獲れ、あっさりしたうまみのあるだしがとれる。一方で青口は癖が強く、がつんとくる煮干感が得られるらしい。ラーメンではがつんとくる青口のほうをベースにして作られることが多いようで、煮干しラーメンの有名店、「すごい煮干しラーメン 凪」ではこの青口だけでも何種類も使っているそう。

 http://www.n-nagi.com/dictionary/

 今回行ったスーパーは瀬戸内海産ばっか取り揃えてたのでそれを1袋(右)と、あとマイワシを原料とした少し大きい煮干し(左)があったのでそれも購入しました。

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煮干しの下処理

今回煮干しはスープだけでなく醤油だれにも使うので、頭とはらわたをとる下処理を先にしちゃいます。これはなんも難しくなく、頭を折ってつまようじで中をえぐれば大丈夫です。

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ということで下処理が完了しました。

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醤油だれ作り

ではさっきの煮干しを使って醤油だれを作ります。個人的に煮干しラーメンは甘めの醤油とあわさるのが好きなので、砂糖やみりんを入れて作っていきたいと思います。

まず鍋に醤油、みりん、砂糖を入れます。醤油は濃口と薄口両方使いました。

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これを煮立たせて煮干し、昆布の中に注いで香りをうつしていきます。

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このまま1日ほど置いておくと醤油の角がとれるので、それで醤油だれの完成なのですが、個人的に浸けたあと気持ち的に1度加熱しておきたいので、1日置いたあとに煮立たせて、煮干し、昆布を取り出しておきました。

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煮干しの水出しをしておく

醤油だれに使わなかった分のにぼしは適当な容器に入れて水につけておき、水出ししておきます。これをしなくても煮込んじゃえば一緒なような気はしますが、とりあえず用意しておきました。

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スープ、チャーシュー作り

では早速スープをとっていきましょう。煮干しラーメンとはいっても煮干しだけじゃなく動物系のスープも欲しいので、ベースは鶏ガラととんこつで、ここに煮干しを入れる形にしました。

ということでベースになる動物系のスープをとります。いつものようにゲンコツは下茹でし、鶏ガラは水に浸けて血抜きと内臓を取り除いておきます。

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そしたら並行してチャーシューを仕上げます。今回は豚バラブロックを使います。

豚バラブロックを丸めてタコ糸で縛り、表面に焼き色をつけていきます。

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そしたらゲンコツ、鶏ガラの鍋にこのチャーシューも入れて、圧力鍋で20分くらい煮込んでいきます。最近だんだんわかってきましたが、チャーシューは柔らかければ正義なわけではなく、適度な食感があるほうがチャーシューとして存在感が増すのであまり時間をかけないようにしています。

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煮込み終わりました。

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そしたらチャーシューを取り出し、先ほどの醤油だれにしばらく浸けておけば、チャーシューの完成です。

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ちなみに水を張っておいたどんぶりでジップロックを閉める作業をすると、きれいに空気が抜けるので少量の醤油だれでもチャーシューをうまく漬けることができます。ライフハックです。

さて圧力鍋からチャーシューを取り出したらこのスープを寸胴に移します。一人暮らしなのに寸胴買っちゃいました。ここに適当な野菜と、前日から用意しておいた煮干し水を加えます。

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そしたらひたすら煮込んでいきます。

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めっちゃ煮込みます。適宜追い煮干しをしましょう。

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そしたら煮込んだスープを漉して完成です。

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今回はここまで。次回は製麺、具材の準備から本調理まで行いたいと思います。

世界一手間暇かけたあんかけ焼きそば

 あんかけ焼きそばに惹かれて

みなさんの「深夜に食べたいものランキング」1位はなんですか?ぼくは堂々あんかけ焼きそばです。あと「飲み会のあとに入った中華料理屋でシメに食べたいものランキング」1位です。2冠です。ということでせっかくのラーメンブログですから麺を手作りしてあんかけ焼きそばを作ります。

焼きそば麺と一般的な中華麺の違いって?

焼きそば用の麺ってふつうの中華麺と違ってごわごわしててすするときの食感も異なるし、なにより市販のものは茹でる工程を経ずに水をかけて炒めるだけで作れますよね。実は焼きそば用の麺は「蒸し麺」といって、もともとは同じ中華麺を、茹でるのではなく蒸すことであのごわごわ感を生んでいるそう。ということでまずはふだんと同じ要領で麺を作ります。

製麺

今回はせっかく麺を自作するということで、市販ではあまりみかけないちょい太麺で、もちっとした食感がでるように「オーション」という二郎でも使用されている小麦粉を少しブレンドし、さらに加水率を多めにしました。

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下が「春よ恋」で上が「オーション」です。オーションが灰色がかってるのがコントラストでわかります。ここに水をいれていつもの要領で水回しをし、1つにまとめて寝かせてから製麺機にいれていきます。

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加水率が高いので打ち粉として片栗粉をしっかりはたいて、小野式で圧延していきます。

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今回はパスタマシンで切りました。

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ということで麺が完成しました。

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加水率が高いのでしっかりと打ち粉をふって保存します。

あん作り

あんかけ焼きそばの主役、あんを作っていきます。実はあんはふつうに作ろうと思ったんですが、せっかく麺を自作したしってことであんのベースになる鶏ガラスープを一からとることにしました。

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鶏ガラスープは鶏ガラさえ手に入れば簡単に作れます。水につけて血抜きし、内臓をしっかりと取り除いたあとに鍋にいれひたすら煮込んでいきます。このとき、澄んだスープにするためにはあまり煮立たせないように気をつけてください。煮立たせると白濁した鶏白湯スープができあがります。

 

ramencolumn.hatenablog.jp 

ramencolumn.hatenablog.jp

 

あとは適当に野菜を入れながらいい感じにスープが出たら完成です。

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蒸し麺作り

では早速完成した麺を蒸していきます。家にちょうどいい蒸しマシンがあったので使います。

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これは蒸し器がなくてもフライパンに水を入れ、ふたをするだけで蒸し器に早変わりできるアイテムです。この上に麺を平たく広げて7分ほど蒸していきます。

BEFORE

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AFTER

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見事に焼きそば麺特有のごわごわ感が再現されています。

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こんな感じで麺同士がくっつきまくっています。これを30秒~1分ほど茹でたあと、油をなじませれば完成です。

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においはもう完全に市販のものと一緒です。工程の違いだけでこんなにできあがりが変わるんだなとびっくりします。

本調理

それでは必要なものが全部整ったので調理していきます。

麺は焼き付けて焦げ目をつけます。

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あんは野菜をきって軽く炒めたあと、先ほどとった鶏ガラスープで煮てあんを作っていきます。

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そしてこれを麺の上にかければ、

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あんかけ焼きそばの完成!なのですが、あんがゆるすぎて下に沈んじゃってます。

ということで別日に作り直しました。こちらです。

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実食

では食べていきます。気になるのはやっぱり麺。

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完全に狙った感じのもちもち感が出せたと思います。オーションを加えたのがいい感じに働いたっぽい。自分で麺を作ると市販のとは異なり切れにくく、自由な太さで麺を作ることができるのが魅力ですね。

あんに関しても申し分ないです。ただわざわざ鶏ガラからスープをとる必要があったのかな、と。まあスープとってる最中にもずっと感じてたんですが。

最後に

ということで麺も手作り、あんも鶏ガラスープからとるなど、かなり手間をかけてあんかけ焼きそばを作りました。世界一はさすがにおこがましいですけどふだん手軽に食べられるものにこんだけ力を注ぐのってすごく楽しい。これで焼きそば麺も作れるようになったのでどんどんレシピの幅が広がっていくと思います。

低温調理器を買いました

my new gear...

新しい調理器具を買いました。 

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低温調理器です。

 

 

この商品はその名前の通り、ここ数年よく聞く「低温調理」が自宅でも簡単にできちゃう画期的な商品です。例えば鶏胸肉やささみなど、どうしてもふだんの調理だとパサっとしやすいものでもしっとり仕上げることができたり、最近のラーメンでも低温調理したチャーシューが乗っているおしゃれなラーメンをよくみます。(あとはコンフィなんかも簡単にできたりする)

出始めのころは数万円くらいしたものが、いまは多くのメーカーが参入したこともあり、1万円を切るモデルも登場しています。

今回はラーメン作りはしませんが、せっかく買ったのでささみがどんな仕上がりになるのか簡単に試してみましょう。

使ってみた

箱から取り出してみるとこんな感じです。

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対して部品が多いわけではなく、加熱するための本体と容器に取り付けるためのクランプが入っています。

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本体がけっこう長いのでふつうの鍋じゃなくバケツとかにセットしたほうがうまくいくと思います。どうせ食材はジップロックで密閉するので恒温槽はバケツだろうと何だろうと大丈夫です。

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ということで温度と時間をセットしたら加熱がはじまり、設定温度になるとアラームでお知らせしてくれます。

今回は「60℃で1時間」でセットしました。

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ここらへんの温度調整や時間は少しでもミスすると食中毒などの危険があるので、下調べ等を十分に行ったり、温度がなるべく均一に伝わるようにジップロックの中から空気をしっかりと逃がすなど工夫してください。ちなみに厚生労働省が飲食店向けに出しているリーフレットの中には

 ・豚のお肉や内臓を使用して、食品を製造、加工又は調理する場合は、中心部まで十分に加熱しなければなりません。
 (中心部の温度が63℃で30分間以上もしくは75℃で1分間以上など)

と記されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html

完成

ということで1時間待ったらジップロックを取り出しましょう。煮えてないから油断しがちですが、お湯はふつうに60℃あるので気をつけてください。

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早速切ってみましょう。

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見ただけでしっとり加減がわかると思います。実際パサつきはふつうに調理した場合と比較してだいぶ改善されていて、食べやすくなっています。

最後に

低温調理器は肉、魚に限らず卵や野菜も工夫すればうまく調理できると思います。コンフィとかやってみたいな。あとはラーメンブログなので低温調理チャーシューがのっかったおしゃれなラーメンはどこかのタイミングで作ってみようと思っています。